萬覚書

Carpe Diem. Seize the day.

知的戦闘力・肉体的戦闘力

川崎市内の書店をブラブラと歩き回っている時に、「知的戦闘力を高める本」という特設コーナーがあるのを見た。知力がドブの底にあり、この失われた2年間を取り戻そうとしている俺は「知的戦闘力」という言葉を見て胸が躍った。

今思えば東大の駒場時代に、周りの知的レベルに追いつくために必死に本を読んで教養なるもので頭をcultivateしたいと考えていた時期があった。実益に限らない幅広い知識を身につけて教養を身に纏うような人物になろうと日々努力する同年代のライバル達に尊敬することすらあり、俺もそうありたいと願っていた。そのためにハイデガーウィトゲンシュタイン西部邁三島由紀夫安部公房等々の"人物"について知ろうとしたし、経済思想史社会心理学モンゴル語、相関社会学の講義で、俺が生きる世界を総体的に理解できるような何かを得ようとしていた。

それが今じゃこの体たらくである。長渕剛の"西新宿の親父の唄"風に言えば、暮らしにまみれているだけなのである。そして「やるなら今しかねぇ」のである。
自分の生活圏内に係る知識を入手し、社会的な義務(就職、結婚、育児等)を一つずつクリアし、人生はそういうものだとある種の諦観を持ってそれが大人だと割り切った思想を持つ人が俺を囲んでいる今の環境において、知的戦闘力を共に高めあう同志は皆無であるため、しばらくは孤独な闘いになるだろう。

と同時に勿論、肉体的な戦闘力も劣化させてはいけない。
"文弱の徒"でも"脳筋"でもない、国内外の経済状況や金融事情に精通した好戦的グラップラー市場部門畑エリートビジネスマンを志向しなければならない。

その端くれにでもなりたいがために、仕事終えてすぐに柔道の練習に向かい少し休んでファミレスで洋書"the four"を読んでいる休憩時間中にこの記事を記している。