萬覚書

Carpe Diem. Seize the day.

スマートフォンを家に忘れる

記憶のあるところで大学に入学して以来外出する時は必ず携帯電話を持ち歩いていたが、先日スマホを携帯するのを忘れた。

スマホを持っていないことに気づいたのは最寄り駅構内に入ってからなので取りに帰ろうと思えば取りに帰れた。しかし3時間弱の通勤時間、3度の食事、仕事の休憩時間、その他空き時間等、時間さえあれば常にスマホを操作している俺がスマホを持たずしたら、6時半に出発し柔道を挟んで22時に帰宅する日をどうやりすごすか興味があったのでそのまま仕事に向かった。

先ずは通勤時間。普段は当日のTo Doリストを作成したり日経新聞の新聞紙(朝刊)のイメージをアプリで読んだり金融市場をサッとチェックしたりするが、その日はiPodから流れる音楽の歌詞を噛みしめて聴いた。最近はGREEN DAYのアルバム"insomniac"を中心に聞く傾向があるが、長渕剛を中心として邦楽を聴いた。

次に食事時間。朝と夜は外食なのだが、スマホの画面を見ないと単純に食事を済ませるのが早かった。頭の中ではまとまりのない思考が脳内を旋回していた。

仕事の昼休みはロッカー内に山積した各種書類の整理に充てた。クリアファイルに保存したり破棄したのでコンパクトにまとまり、同時に使えそうなマニュアルなどの再発見もあったので生産性のある昼休みを過ごせた。業務時間より有意義に感じられた。

最後に退勤時間。途中で下車して柔道に行くため退勤の電車乗車時間は2回に分かれる。職場→道場では仕事の振り返り、道場→家では柔道の振り返りと単純明快。特にその日の柔道の乱取りは20代同士且つ軽量級同士の素早い柔道だったので反省するのが愉しかった。

スマートフォンのない1日は新鮮でそれなりに充実していた。そして社会との繋がりへの経路を一つ断つことができるため、"独り"の時間を噛みしめることができる。まともな会社に属してまともな職場にいると、俺が育ててきた哲学をも標準化され同時に呑まれてしまいそうなので、たまにはスマホを忘れて内省するのも良いと思った。