萬覚書

Carpe Diem. Seize the day.

商売、企業の存在意義

新入社員研修は概ね良かった。基本的に同期の輪に全く馴染めていないが、同じ寮の何人かと知り合いになれたし、最終日の帰宅時間にはかわいい女の子たちと写真を撮れたりして良い思い出となった。

しかし研修は遊びではなく業務の一環であるという意識を一応は持っていたため、研修中に考えていたことは幾つかある。その中でも難しかったのは、俺の会社の商売が社会にとって必要なものであるのかということだ。そしてそれが必要ないと感じたのなら、俺はどういう意識を持って商品・サービスを売ればいいのかということだ。客や社会にとって必要だからやるのか、会社の存続のためなのかなど会社の存在意義を考えていた。

多くの人が部屋の灯りが欲しいから石油を採る人、卸す人、発電する人がいる。多くの人が手軽で便利な生活を求めているから、スナック菓子やパンを作る人、運ぶ人、コンビニで売る人がいる。需要があってそこに企業が供給し、対価として顧客からお金を受け取り、会社としての利益を重ね、そこの従業員が自分の生み出した価値に応じて賃金を得る。これが俺の考える商売だ。俺の入社した会社は少し特殊で、俺の希望する配属や業務もやや特殊である。俺のやろうとしていることがどういう意義を持つのかという問いに対して、今までの生活からでは答えが出ない。

そんな中、歓迎会の席で管理職の社員から「頑張ってほしい。しかし会社の立場もあるし、君たちの立場もある」と何気なく言われた一言が印象に残っている。言われてみれば確かに、客も会社も俺もそれぞれ事情があり、絶妙なバランスで社会は成り立っている。入社2週間で社会について何も分からないので当面の間、俺はとりあえず自らの立場、会社の立場を優先して働くことにする。能書きは後である。まぁでもうちの会社が無くなったら社会的影響は莫大だし困る人も沢山いると思うがね。社会的に悪影響が出るからその商売が必ず必要であるとは限らないが。

社会人になって2週間経つが、土日休みの時間がこれほど早いものであるという感覚を完全に失っていた。これからの人生を憂いて死にたいとつぶやく同期が増えている。