萬覚書

Carpe Diem. Seize the day.

映画(3/4〜4/30)

今年の2月に映画に0から興味を持ち出して以来、映画鑑賞は趣味として駆け出しにある。4月に働き始めてからは一作品も観れていないが、3月上旬に前ブログで映画のレビュー記事を更新して以来ずっと更新できなかったので3月4日から書き溜めていたレビューを今更ながら放出。

スラムドッグ$ミリオネア(3/4)
中盤まではよく作られていて良い作品であると感じたが、終盤からいきなり雑になって最後は適当に終わらせた感が否めなかったため戸惑いの中で作品を見終えた。具体的にどこを雑と感じたかというと、テレフォンでラティカと話したくだり、最終問題を勘で答えて的中したこと、物語の本筋と関係なくジャマールとラティカが駅で再会したこと、番組や得た賞金について最後はほったらかしになっていたこと、など。

タイピスト!(3/5)
殊更に興味があるわけではなかったが、映画で英語、ドイツ語、イタリア語と聞いていたらフランス語も聞きたくなったので鑑賞。内容自体は凡庸に感じたが、ストーリーのテンポ、フランス語の聞き心地、フランス人の振る舞い、BGM、街並み、インテリアなどが良かった。発言内容がオシャレすぎてついていけないこともしばしばあった。

猟奇的な彼女(3/5)
初めての韓国映画。自分には絶対合わない作品だろうと思って観たので期待より上ではあった。ストーリーとはあまり関係のないコメディタッチの箇所が多いため、途中で中だるみがあった。キョヌが林修に似ていることに気づいて以降は林修にしか見えなくなった。“彼女”のツンとデレにおけるタイミングが予想外であることが多かった。

アメリ(3/6)
タイピスト!」の雰囲気が非常に良かったので、続けてフランス映画を鑑賞。好き嫌い分かれるとは思うが、俺はかなり好きな作品である。今まで観た映画のトップ5に入る。始まりから独特だった。各人の好きなもの、嫌いなもの紹介は微妙な(誉め言葉)点をついていて面白かった。Wikipediaに「パリジャンの日常を描き…」とあるが、これが本当に日常風景ならフランス人は変人である(かっこいい変人ではあるが)。映像のことは何もわからないので構図と言えばいいのかカットと言えばいいのか分からないが、そういった撮り方はすごく面白かった。

舟を編む(3/6)
久しぶりの現代・非アニメの邦画。27歳時の馬締がコミュ障感を出しすぎようとして演技演技しているように感じた点は気になったが、ストーリーは良かった。登場人物が一人一人際立っていた。黙々と泥臭く地味な作業を進めていく描写と、それを取り巻く辞書編集の職場の雰囲気が良かった。ただ、途中で松田龍平漫才コンビ田畑藤本の藤本にしか見えなかった。

・セッション(3/6)
予想に反して普通の作品ではなかった。地味で平穏な「舟を編む」から間を置かずに鑑賞したので、余計にこの作品の異様さが感じ取られた。フレッチャーの頭がおかしさが終始際立っていた。不運から音楽学校を退学させられ、元彼女に新しい彼氏ができて、コンサートでは大勢の前で恥をかかされるという状況から、ニーマンが演奏の中に自己を没入させ、二人の狂気じみた掛け合いの末、最終的に息のあったセッションで終わりオールオーケーみたいな雰囲気に馴染めたら楽しい作品だと思う。

パリ20区、僕たちのクラス(3/7)
非常に良かった。俺に関して、中学時代は授業を率先して妨害する側で、高校時代では人間関係を断ったことで空気のような存在になり、大学時代では学習塾と柔道において”先生”と呼ばれる立場になったことで、複眼的にこの作品を鑑賞できたと感じる。授業風景は日本のそれと似ているが、白人、中国系、アフリカ系、アラブ系など様々な人種が入り混じっている点が決定的に日本と異なる。最後に、それまで全く目立たたなかった黒人少女が「何も理解できなかった」と告白する場面がある。大人しくて目立たないけど理解力が早くない若しくは問題解決能力が高くない生徒は沢山存在し、かつ見過ごされやすい問題であるので、この場面を最後に持ってきたことは意義深いことだと思う。

キック・アス(3/8)
決して面白いとは感じなかったのに一気に観ることができた不思議な作品だった。相当テンポよく進むのだと思う。オープニングの音楽が良かった。

ゴッドファーザー(3/8)
見始めから暫くの間は退屈であったが、1時間半くらい経過あたりから面白くなった。マイケルが敵を消すために銃を準備するシーンはこちらが緊張した。ゴッドファーザー2への続きが見たくなるような終わり方であった。映画ファンからは不朽の名作と言われ圧倒的支持を得ている作品だが、俺にはそこまでとは思わなかった。

ニキータ(3/12)
ストーリーは凡庸。訓練受け始めあたりまでのニキータ役の演技が本当に上手いように感じた。また、終盤に少しだけ出てくるジャン・レノの存在感が凄かった。ジャン・レノが演じた掃除人=殺し屋のヴィクトルは、ほぼほぼ”レオン”だった。

ルワンダの涙(3/14)
ホテル・ルワンダ」を観ているつもりがこの作品を観ていた、という経緯で鑑賞したので期待はしていなかったが良い作品だったと思う。ルワンダ史に関しては大学受験程度の知識しか持ち合わせていなかったのでネットで調べながら鑑賞した。血はたくさんあるが涙はない作品であった。フツ族の容赦のなさ、ルワンダにおける白人の立ち位置・考え方、国連軍の役割と軍人の限界、知人の裏切りなど、様々な点において現実に即して描写しようとする意図が見えた。

・奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ(3/14)
パリ20区、僕たちのクラス」が良かったで、フランスの学校を舞台とした映画を引き続き鑑賞。他の人のレビューにもあるように、展開がありきたりで、且つうまくいきすぎているため心を動かされることはない。「パリ20区、僕たちのクラス」でも感じたが、フランスはフランス人の他にアジア系、アラブ系、黒人と様々な人種が入り混じっているので”人種のるつぼ”であるアメリカ社会とさほど変わらない状況になっているとは思うのだが、感覚的にはアメリカとは異なるように感じる。その違いが何なのかが気になっている。フランスの方がアラブ系の力が強い印象はあるが。

シティ・オブ・ゴッド(3/16)
非常に良かった。構成も演出も音楽も全てが面白く、全く退屈しなかった。スラム街における少年ギャングの抗争がテーマであるが、この作品の面白さは単にスピード感のあるバイオレンスな描写だけにあるのではない。戦う理由が権力欲、麻薬売買による富、治安維持、復讐、生き残りや居場所確保など様々で、それぞれの視点から物語が展開し、一方でスラム街にいながら暴力とは距離を置く写真家志望の少年視点からの描写と語りによって冒頭から終わりまで綺麗にまとまっていた。

・天使のくれた時間(3/20)
普通に良かったとは思うがそれ以上の感想が無い。つまらないシーンは無かったが、特に印象に残るシーンもなかった。俺個人としては、惰性で生きている所帯持ち時代よりも信念や熱意があるエリート時代の方が良く見えた。

フォレスト・ガンプ(3/27)
ランニングの件までは色々なストーリーが詰め込まれていて楽しく観れた。特にベトナム戦争編は良かった。ベンチに座っている”今”のシーンから失速し始め、ラストの締めもよく分からないまま終わった。物語の終盤には知能指数が低いことを忘れるほど普通の振る舞いをしているように見えた。